本棚

最近読んだ本の中から、国家試験後、あるいは実習前にでも読んで欲しい本を紹介します。

「最後の医者は雨上がりの空に君を願う」他  二宮敦人(TOブックス)

「最後の医者は桜を見上げて君を想う」
「最後の医者は雨上がりの空に君を願う」上・下
いつ現実になってもおかしくない「死」。余命が告げられ時、自らの死にどう向き合い、どう生きるか。
「最後の医者は雨上がりの空に君を願う」(下)の後半では、認知症が取り上げられています。
認知症を疑似体験しているような感覚に襲われます。

「Q&Aで考える保護者支援」中川信子(学苑社)

臨床に出る前に、できれば実習に出る前にも読んでおくべき良書.
「ST」として臨床につくと、途端に専門家として期待され、保護者からは先生と呼ばれたりします.支援者としての私たちの立ち位置を確認しておこう.

「天久鷹央の推理カルテ」知念実希人(新潮社)

このシリーズの主人公は、医師であり、発達障害も抱えている。また、医学的な内容がそれぞれの「カルテ」に何かしら絡んで来ており、ちょっとした勉強も兼ねつつ息抜きになるかもしれない。ただ、のめり込み過ぎないように、時間制限は決めて読むことをお勧めしたい。
ちなみに、僕はアマゾンのオーディブル(定額で概ね読み放題)で朗読を聞いています。目が疲れないのでありがたい。

「子どもの脳を傷つける親たち」友田明美(NHK出版新書)

発達障害は親の育て方のせいではない。しかし、育て方に重大な問題(虐待など)があれば、発達障害と同様の症状が出る、ということを知っておく必要がある。

「そして生活はつづく」星野源(文春文庫)

著者のAD/HD的な症状が満載。彼からその症状をとってしまったら、今の「星野源」はなかっただう・・・きっと。

「育てにくい子」と感じたときに読む本(佐々木正美)

悩んでいるお父さんお母さんたちに、最初にお薦めしたい本。「子育て」で1番外してはいけないことを教えてくれています。

「しあわせな子育てのかんたんなルール」(佐々木正美、堂珍敦子)

子どもの「愛着に対する欲求」をしっかり充実させることの大事さ。それを実践してきた自らの子育て。自らの研究や臨床、経験に根ざした子育て観。脱帽です。

「子育てお悩み相談室」(佐々木正美)

親御さんからの悩み相談に答える形で書かれています。子育てに悩みをかかえている方はもちろん、相談を受ける立場の方にとっても、貴重な示唆が得られるでしょう。

「えんとつ町のプペル」(にしのあきひろ)

絵本です。周りに流されることの怖さを感じさせてくれます。「いじめ」の背景について考える機会にもなるでしょう。

「てん」(ピーター・レイノルズ)

絵本です。白い画用紙を前に、何も描けなかった、書こうともしなかった少年は、どんどん立派な「てん」を描けるようになっていきます。そして、少年の心にも大きな変化が。こんな寄り添い方ができるセラピストになりたいものです。

「だれもしらない」(灰谷健次郎・長谷川修平)

絵本です。
特別支援学校に通うまりこちゃんは、家からバス停までの 200m 程の道のりを、お母さんとゆ っくりゆっくり歩いて通います。たった 200m(往復で400m)、しかしまりこちゃんには豊かな出会いの 200m です。
ぼくが20歳頃に、小学校ではなく「特別支援学校」の教員を目指すことにしたのは、まりこちゃんたちのことをもっと知りたいと思ったから、だったかも…。

「たいせつなきみ」(マックス・レクード)

絵本です。
私たちはなぜ「できるやつ」「できないやつ」といったレッテルを貼り合い、レッテルに縛られて生きているのか。
どうしたらレッテルに縛られずに生きていけるか。
そんな子育てができるか。

「ちょっとだけ」(瀧村有子、鈴木永子)

絵本です。
この子(お姉ちゃん)はなっちゃんです。なっちゃんはお母さんから叱られるようなことはあまりないようです。あかちゃんのために自分を抑えて、抑えて、抑えて…、そしてとうとう、ちょっとだけお母さんにお願いをします。
なっちゃんのような自分の気持ちを抑え気味のお子さんの「ちょっとだけ」の受け止め方は、こうありたい。